山梨県立農林高等学校
2021年11月17日カテゴリー:

赤ワインの発酵~樽熟成

 2年食品科学科「総合実習」で取り組んでいる2021年のワイン仕込みの全ての工程が、先月末無事に終了しました。

 

 今年度最後の仕込みとなったのは「プティ・ヴェルド」という欧州系ブドウ品種を用いた赤ワインです。この品種はブレンド赤ワインのための「補助品種」としてフランスのボルドー地方で一定の量が栽培されており、糖度が上がりやすくポリフェノールを豊富に含んだブドウです。本来ブレンド用に数パーセント用いられる品種ですが、農林高校ではこの品種を100%使用したワインを仕込みました!

 

 

 北杜市明野町の農家より購入したブドウは糖度23.4度とよく熟していました。クラス総出で選果をおこないました。良質なワインを作るためにとても重要な工程です。

 

 

 アルコール発酵は約2週間続き、その間温度管理や櫂入れ(液面に浮いてきた果皮や種子などの“果房”を棒状の器具によって液中に押し込む作業)を毎日実施しました。

 

 

 発酵が終えたら圧搾機で搾ります。原酒の完成です!

 

 

 ワイン専用品種ということで色調の濃いワインになりました。圧搾後、ワイン中ではマロラクティック発酵(MLF)という乳酸菌による代謝が進みました。乳酸菌がワイン中のリンゴ酸を乳酸に変換することで過度な酸味を和らげます。

 

 

 マロラクティック発酵終了後、沈殿したオリ(ブドウ由来の成分や酵母の死骸)を除き、いよいよ熟成に移ります。フランス製の小樽に入れ数か月間貯蔵しますが、これは高級ワインと同じ熟成方法です。このワインを製造した生徒が成人した後もしばらく飲み頃が続きそうなポテンシャルの高いワインとなりました。