山梨県立農林高等学校
2020年6月3日カテゴリー:

ブドウの新梢の誘引作業

6月3日(水)です。
今日は食品科学科の釜無川ヴィンヤードより、ブドウの新梢の誘引作業についてです。
甲府盆地は今日も30度近まで気温が上がりとても暑くなっています。
暑さに慣れていない時期ですので、皆さんも熱中症にお気を付けください。
今日は醸造用ブドウの新梢の誘引を行いました。
本校では、(ワインの原料となる)醸造用ブドウの栽培は「垣根仕立て」という方法で行っています。
写真から分かるように、地上部から60cmほどの高さに、地面と並行線上に主枝(茶色の部分)が伸びています。
そこから生えてくる新梢(今年度成長する枝と葉、写真では緑色の部分)を地面と垂直方向に伸ばしていく栽培仕立て方を「垣根仕立て」というのです。
垣根仕立ては「VSP(ヴァーティカル・シュート・ポジショニング)」とも呼ばれており、新梢の上へ上へと伸びていく性質を利用した栽培方法です。
とはいえ、長く伸びてくると重力には逆らうことができず、手前や奥に垂れてきてしまいます。
この写真は作業前の様子です。
新梢があらゆる方向に倒れているので、適切な管理が効率的におこなえません。
そこでおこなう作業が「新梢誘引」です。
テープを使って新梢をワイヤーに固定していきます。
誘引作業により新梢を垂直に並べて固定することで、光エネルギーとなる太陽光をすべての葉に均等に行き渡らせることができます。
また病害虫を防ぐための農薬散布の際も、均等に農薬を行き渡らせることができるのです。
ちなみのこの写真の部分は、新梢同士が近いので、もう少し間隔を開けたほうが良いでしょう。
誘因作業はこのテープナーいう専用の道具を使っておこないます。ワイヤーと新梢を挟み込んでパチンとすれば、簡単に固定することができます。畑は広いため、効率的な作業が求められます。よってこのテープナーの使用は必須です。
作業後の様子です。ワイヤーにきれいに固定することができました。これ以降の摘房・摘用・カサかけ・収穫などの栽培管理を効率的に進めることができるでしょう。秋の収穫が楽しみです。