山梨県立農林高等学校
2020年7月22日カテゴリー:

嗅覚の授業

今日はもう一つ、食品科学科からも話題があります。
 
食品科学科2年の総合実習ではワイン製造の授業があります。
しかしただ単に製造方法を覚えるだけでなく、原料となるブドウの栽培や品質管理、マーケティングなどワインに関わる全ての領域を体系的に学習します。
 
その一環として、今回は嗅覚のトレーニングを行いました。
 
使用した教材はこの「ル・ネ・デュ・ヴァン」というアロマサンプルです。
ワインから放たれる香り(例えばレモンやリンゴの香り、バターやアスファルトの香りも?)と同じ成分の原液54種類がそれぞれ小瓶に入っており、まるで香水のコレクションです。
こちらは元々、ソムリエの実技試験対策のために開発された教材です。
 
小瓶と説明文のカードをひとつひとつ並べていきます。
 
製造されたワインに含まれる様々な物質の測定は実験によって分析することができます。
しかしワインは飲食物であるため、最終的には人間の味覚や嗅覚による官能検査が必須となります。
ワインの要素として香りはとても重要です。
ワイン製造技師やソムリエはワインから放たれるアロマを嗅いだり、口に含むなどして、瞬時にそのワインの品質を鑑定できなければなりません。
もちろん高校生の飲酒は厳禁です。
なので、こちらのアロマサンプルを用いて様々な香りを嗅覚で感じ取る練習を行いました。
 
香りを嗅いだ後は、その香りの特徴など必要なメモを書き留めていきます。
放たれる香りによって、ブドウの品種や製造方法を推測することができます。
欠陥となる香りが見つかれば、製造工程中にミスがあったと推測することもできます。
それらを判別するにも、まずは様々な香りを一度嗅ぎ、鼻で覚えておかなければなりません。
 
最後にはテストです。
渡された香りは何の香りか、正確に答えなければなりません。
嗅いだ覚えはあるけど何の香りかはっきりと分からない者が多いなか、一発で当てた者には拍手喝采でした。
ワイン製造技師やソムリエとしての素質があるかも?!